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  101才の方の詩 ・柳沢弘(東京) (令和4・サンケイ)

小学5年生の春のことT君と町へ行く途中、T君のお父さんのリヤカーに乗せてもらった。  着いた所が食肉処理場だった。 そこで豚たちの悲鳴を聞いた。  そのとき生涯、肉食はしないと決めた。 あの経験はよかった。 ぼく101才、無病無薬です。   

一年後にまた投稿・ 柳沢弘(102才・令和5年)

今日はあちこちきれいにした。一人住まいも20年。  台所が気になる。 引き出しをきれいにした。 とても気持ちがよい。  百才の人生も反省という手入れをして、きれいに生きよう。▲

付記:驚きますね。肉食もせずに102才! 一人暮らし20年ですと。 常識をこえています。  反省という手入れをして、きれいに生きたいとおっしゃる。 一体どういう生き方をされた方?   詳しく知りたいものです。

かって仏弟子は肉食を避けています。今は栄養とか認知症予防とか知識が色々ありまして申し訳ありませんが、慚愧と感謝の心で頂きます。

 

  食前の偈

「道業を成ぜんがためにこの食を受くべし」

 

 風外和尚(16世紀・曹洞宗)

 風外和尚は50才を過ぎて、突然寺を捨て乞食行に入ったが、ある日通行人に頼んで穴を掘ってもらい、その穴の中で手を胸に当てて立ったまま、示寂(じじゃく・死)されたそうです。行年86才。

 

 人生相談(平成22・サンケイ新聞)

千葉県・50代女性の相談。「私は短大を出て結婚。会社に30年勤めました。 義母はなくなり義父と夫と穏やかに暮らしてきました。 今になって痛感することは自分の勉強不足です。 賢い人になりたい。 深く考える人になりたいと強く思います。  本を読んでも、いつも別の自分が、『足りない、足りない』といいます。 どうか自信の持てる賢い人になるヒントを教えて下さい」。

 

この直球の問いに答える人が作家・久田恵氏

「30年勤めて、家族と仲良く暮らす貴女は賢い人です。 学歴があり知識があっても、深く考えているわけではないことを、あなたは知っています。  世間には大したこともないけれど、もっともらしいことが多いです。  『足りない、足りない』という思いは、深い処から出ていると思います。  その向上心を持ち続けることが、❝賢い人❞に近づくことかもしれません」。

付記:この難しい相談に久田氏は「上から」ではなく、「知識があっても深いわけではないと知っている」「たりない、たりないという思いは深い処から出ている」と的確な指摘で励ましておられる。