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 中村好男(66才)愛媛大教授(平成20)

中村先生が帯広畜産大4年のとき、農家から「土が固くて大豆も小豆もとれない。 一体なぜだろ」と質問された。 そこから中村先生はミミズの存在に注目することになった。 ミミズはひたすら土の中を動き回って、土をフカフカにする。 ミミズを殺せば土も死ぬのだ。  ひたすら効率化で成果をあげた日本の農業ではあるが、化学肥料でミミズを殺す農法に疑問をもった。  以後中村先生はミミズの研究に打ち込んだ。 10年目でミミズを活用した農法で、大豆と麦の二毛作が可能なことを立証した。 2000年に農水大臣賞を受賞した。

中村先生は、孟子の言葉の蚓操(いんそう)を引いて「何も求めずただ自分の役割を果たす」というミミズの生き方を尊ぶ。  中村先生が目指すのは「地球の鍬」「大地の腸」と古人から称えられたミミズの復権である。▲

付記:足実地を踏む研究です。