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  12,正法(しょうほう)の時代

ブッダ在世以降より一千年間は仏法が正しく伝えられ、仏弟子は天資聡明・高潔至純な方が多かったので「正法」の時代という。 この時代は能力も人格も極めて優れた英傑が根本第一義(悟り)を求め、競って修行した時期ですが、今は信仰が下火で末法(まっぽう)の世という。  科学の進歩につれて神仏に祈ることもなく、宗教心は自然に衰えます。 だから仏教については、どうしても昔の話がありがたい。  仏教は「解脱」が主題なので凡人には手がつけられないのですが、それでも魅力があります。

    

  中峰和尚(13世紀・中国の名僧)

たとえ今生で悟りを得なくとも、強い願心を持ち続けよ。 2世3世生まれ変わって修行するのみ。 さらに百世千世にわたって修行の道が続く。 この願いを持つならば必ず仏道は成就するなり。▲

付記:仏教は必ずしも苦行主義ではありませんが、それでも祖師(ブッダの正知見を継いだ人)と言われる方々は苦修の日々でありました。  ブッダご自身も「私ほど苦行したものはいない。 私の実践した生死ギリギリの難行は現在も過去にもなく未来にもないであろう」と言われています。  禅門では根気のあるものほど鍛え甲斐があるので、特別に荒っぽく苛めたりします。   令和の世では許されません。

 

  梵網経(ぼんもうきょう)

ブッダ曰く「明らかに信ぜよ。汝はこれ当成(とうじょう)の仏、我はこれ已成(いじょう)の仏」。

(汝ら信じなさい。 だれもが必ず如来になる資格がある。 私は先に如来になったが、汝らはこれから如来になる)。