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   13,動物学者ローレンツの言葉

「文明の進化は人間を幼児化させる。 情緒・情感を欠如させていく。 技術の向上は人間の依存心を増大させ, 免疫力・抵抗力を低下させる」。▲

付記:文明の恩恵は計り知れませんが、依存心の増大などの問題があります。 古代は自然が荒々しく死の畏れが身近にあり、人は危機に立ち向かい、ひたすら辛抱し、あとは腹をくくるしかなかった。 昔は幸いにも病いが治った暁には、神仏に感謝し周りへの恩を厚く感じた。 以前、あるアジアの国から女の子(10才)が、手術するために来日しました。 難しい手術を無事に終えて離日のとき、彼女は感謝をこめて「日本は天国のようです」。 素朴で心に伝わることばです。

付記:令和5年3月、社会のためには「老人の集団自殺」とか「老人の切腹」とかの話が出ています。 神代の昔から長寿は人類の願いですが、実際に長寿が増え過ぎると話が違ってきました。   昔アメリカ先住民は老人になると、「自ら寒風すさぶ氷の戸外に出て、白熊の餌食になる」という掟があったという。 乏しい食糧では老人は遠慮するしかなかった。 日本にも姨捨(おばすて)があり、小説「楢山節考」ではおばあさんが自分の歯が丈夫なのを恥じて、むしゃむしゃ食べないようにと自ら自分の歯をダメにするという話があるそうです。   日本最大の猛禽類の大鷲は、ヒナを二羽生む。 先に生まれたヒナが、次に生まれたヒナを殺してしまうが、親はそれを止めない。 生まれた瞬間に生存競争という自然の掟は厳しい。

付記:かくいう私も80代(昭和16生れ)。 日ごろは健康を気にしていますが、長生き老人は社会の負担になり老害といわれる。 しかし老人でも死の覚悟は重すぎる。 いよいよとなれば、しがみついても生きたい。南無観世音。

医薬の進歩はありがたい。 私は緑内障で毎日点眼しています。 昔なら失明するところでした。  一方で医学の進歩によって、老人が増え若い世代を圧迫するらしい。

 

  母のこと・強瀬忠昭氏(60才・埼玉・平成15サンケイ)

「私の母は農家の主婦として生涯働き続けました。 化粧をしたこともなく、病気で寝込んだ姿も私には覚えがありません。 井戸のないころには天秤棒におけで、もらい水をしていました。 稲作・麦作・野菜つくり・養蚕など全力を傾けました。 一方で子どもたちには大きな愛情を注いでくれました。  晩年体調をくずして、ここで初めて入院しました。 入院の五日目でなくなりました。  ひたすら働き続けた母を誇りに思います。」▲

付記:生きる基本は勤勉と忍耐。そして愛情。 やることをやり尽くし、最後は入院して五日目でこの世を去る。 南無観世音。